第二次大戦以降、アメリカは中東地域やその他の途上国全般を新米・親ソの二つに分類し、そこで発生する紛争を冷戦という二極対立構造の中で解釈し処理してきました。
そしてその後、ソビエト連邦の崩壊によって冷戦構造が崩れてからは、新しい二極対立構造つまりアメリカ対イスラム諸国という対立構造によって、世界のパワーバランスは調節されてきました。
この二極対立構造の中で、日本を含め親米・従米路線にあった国々がその対立構造の中で、アメリカを後ろ盾に政治的・経済的覇権を強めるという恩恵を受けることとなりました。
そうした新しい二極対立構造の中、1991年アメリカとイラクはついに湾岸戦争へと突入します。
それから10年、アメリカのブッシュ政権はチェイニー副大統領を中心とした最右翼主義者、いわゆるネオコンの影響により次第に単独覇権主義へと傾いていきました。
そして9.11のテロ事件以降その勢いはさらに加速され、ついには世界のパワーバランスを無視したイラクとの「正義の戦い」へと突き進むことになったのです。
この二極対立構造から単独覇権構造への動きの中で、親米あるいは従米諸国の立ち位置というものは大きく変化したいったと言えるでしょう。
今回は、この世界構造の変化の中で日本を含め各国が選択してきた立ち位置について考えていきたいと思います。
まず親米路線を継続した国として、イギリス、イスラエル、そして日本の3国を見てみましょう。
イギリスはアメリカのイラク侵攻に積極的に参戦し、テロ戦争を軸とした二極対立構造を改めて作り出そうとしました。
しかしアメリカのイラク占領が泥沼化していく中、イギリスではブレア政権への非難の声が高まり、未だ効果的な二極対立構造を作り出すに至っていないのが現状です。
イスラエルも同様に、テロ戦争を利用して「キリスト・ユダヤ連合 対 イスラム連合」という二極対立構造を再構築することを試みました。
ヒズボラとの戦争を強行したのも、それが最大の理由だったのだと思われます。
しかしイラク統治に手こずっているアメリカをイスラエルはうまく利用することができず、結局ヒズボラを壊滅できないまま宙ぶらりんな状態で一時停戦を迎えることになってしまいました。
ここでも、効果的な二極対立構造の中で自国を生かしていくことは叶わなかったのです。
そして日本。
60年安保から続く緊密な日米同盟のもと、日本はこのテロ戦争においても対米従属戦略を貫きました。
また中国やロシアとの関係についても、冷戦構造を思わせる二極対立構造を作るべく、日米同盟の強化を図っているかのような気配すら感じます。
日本がアジアにおける「日米同盟 対 ロシア・中国・北朝鮮」という構図を今後も有効活用していくことができるのかどうか、これが現在やや微妙な状況になっていることを私たちはしっかりと認識しておかねばなりません。
さて、一方で反米・非米路線を全面に出した国としては、EU(ドイツ・フランス)・ロシアがその代表でしょう。
これらの国は早い段階からアメリカのイラク侵攻に対して非難を表明し、アメリカの単独覇権主義に対抗して世界に新しい政治構造を作り出そうと動いています。
そしてその向かう先は、国際政治上の権限を世界各地に分散させて世界全体の経済力・政治力の底上げを図る「多極化構造」であると言われています。
それでは今後この多極化構造が主流となった場合、アメリカは、日本は、これからどういう道を辿ることになるのでしょうか。
ということで次回は、多極化構造への流れとその意味するところについて議論したいと思います。
今日はここまで。
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