いかに本を読むか、ということをテーマに読書についての新書を読みあさってきましたが、その最後を飾るのは今から20年近く前に出版された大江健三郎氏による文学論です。
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はっきり言って、格が違います。
文学というものの本質を見事に描き出した名著です。
「文学とはなにか、文学をどのようにつくるか、文学をどのように受けとめるか、生きて行く上で文学をどのように力にするか」
ということについて、徹底的に問いつめる形で文学論が展開されます。
本書は16章立てですが、各章とも大学での文学論講義を受けているかのような濃密で刺激的な内容になっており、どの章も気が抜けません。
基本的には文学の方法論という形で議論がなされていきますが、その根底にあるのは
「文学は根本的に人間への励ましをあたえるものだ」
という考え方。
本書の読者は、文学を読むこと・書くことと、ひとりの人間として生きていくこととの関係をいやでも問い直すことになるでしょう。
素晴らしい本です。
ぜひあらゆる人に読んでいただきたいと思います。
☆他の人の記事も読む☆
俺の人生テストみたいなものです:新しい文学のために
今度読んでみます。
読んでみます。
有難うございました。
>Fuさん
はい、ぜひ。
でも古い本なので海外だと手に入りにくいかも・・・?
>ツツミコム
相変わらず忙しく生きてるかい?
読んだら感想聞いてみたいです。よろしく。