個人的なメモです
「重力と自転測定から探る月の構造・進化」
セレーネで月へ!
*月研究の歴史*
アポロ以前:地球からの観測
アポロ計画:有人探査・リモートセンシング →月の海と高地を観測
アポロサンプル(海):月の年代を測定 →30億年〜40億年
→月形成から十億年前後は放射性熱源により火山活動
月の表側に熱源が濃集?
クレメンタインミッション:リモートセンシングによる全球詳細探査
複数のカラーで観測 →宇宙風化・物質の違いを確認
月の火山地域=海地域は表側に集中
*月の残された謎*
月の起源
表と裏(海と高地)
金属核があるかどうか?
*月の二分性*
月の表(海)と裏(高地)の二分性の起源
マグマオーシャン説
溶融状態から月進化は始まる
マグマオーシャンとコア形成
マグマオーシャンの冷却にともなう二分性の形成?
衝突説
火山活動説
内部構造探査 →二分性の「根の深さ」
二分性の起源 →月の起源
火星の二分性との比較 →二分性とは天体に普遍的な特徴か?
*月周回探査衛星SELENE*
2007年8月打ち上げ
多くの探査装置を積む
元素分布
鉱物分布
表層構造
環境
重力分布(RISE推進室が担当) ←子衛星を使う
*重力*
内部構造を探るのに非常に強力
衛星による重力測定
衛星の軌道を電波で計測して重力の分布を調べる
レンジング →視線方向の距離
ドップラー効果 →視線方向の速度・加速度
VLBI (Very Long Baseline Interferometry;電波干渉計) →視線と垂直方向の位置
(参照:http://wwwj.vsop.isas.jaxa.jp/yougo/k02_vlbi.html)
ドップラー法とVLBIは相補的!
月の地形・重力異常・地殻厚さ
クレメンタインデータ:[Zuber et al., 1994]
→クレメンタインでは実は裏側のデータは無い(外挿している!)
→セレーネで裏側のデータも完璧なものにする
月の裏側の測定にはリレー衛星を用いる(子衛星を用いて本衛星の動きを測定)
*VERA*
2つの衛星を複数のアンテナで受信可能
高精度の位置決定
電離層などの影響を除去
いずれにしても・・・月の裏側の重力情報が高精度で手に入ることが最も重要!
*LALT(レーザー高度計)*
極域の解像度が高い(〜100m) →月の極の氷を調べる?
極域は永久影に氷があるかも
逆に日照時間が長い地域もあり、将来の探査拠点になりうる
地形と重力の比較による内部構造の調査
*月探査ラッシュ*
2002 ヨーロッパ
2007? 中国
2008 インド
2008 アメリカ
2012? ロシア(ペネトレータ)
2012 SELENE-2? 着陸?
2016? SELENE-3? 月サンプル回収?
2020年代 月面基地?
*水沢VERA観測所*
1899年:臨時緯度観測所としてスタート
電波望遠鏡によるVLBI計画(VERA)を実現するために1988年に国立天文台になる
月面に望遠鏡を持っていき、月の回転運動の様子を調べる計画あり? →月のコアについての情報
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