史上最悪のニセ科学番組「ガリレオの遺伝子」(日テレ)

今日の昼過ぎにテレビをつけたら・・・

「大勢が同時にジャンプすると、衝撃で地球が動き温暖化が防げる!?」
この”仮説”を検証するために、日本中で同時にジャンプしよう!

という、おバカ番組が放送されていました。
これは6月14日にスタートする「ガリレオの遺伝子」という番組の放送前企画だそうです。
参考:http://www.ntv.co.jp/galileo/

HPを見ると分かりますが、これはかつてないほど最悪で悪質なニセ科学番組です。
「科学者たちが認めたくない」”仮説”を検証する、という、まるで自分たちの”仮説”が正しいかのような書き方で、ニセ科学を奨励する番組です。

僕は別にこういうふざけた番組自体を悪く言うつもりはありません。
そのくだらなさを笑えればそれでいいでしょう。

しかし。

最近のニセ科学番組の多さや、今日の放送の仕方を見る限り、どうもそんなに適当に流せる話ではなさそうなのです。

今日の放送では、伊東四朗をはじめとする出演者陣が、本気で「地球が動く」かのようなコメントをしていました。
そして、この”仮説”を”科学的”に”説明”するのですが、全く非科学的で無茶苦茶な説明を平気な顔をして行っていたのです。

まあそれでも、常識のある大人であれば笑ってすませばいいだけの話ですが、なんといっても問題はこの企画にたくさんの子供たちが駆り出されていたこと。
この”仮説”が科学的に正しいものであり本当に地球が動くかもしれない、という”説明”を子供たちに対して行っていたのです。

「あるある」や「オーラ」のようなニセ科学番組・スピリチュアル番組が全盛のいま、またひとつ国民をバカにするための番組が始まってしまいます。

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恐ろしいことに、この番組についてコメントしているブログを読んで回ると、9割以上の人がこの番組に対して好意的なコメントをしていました。
また8割程度の人が「本当に地球は動くかもしれない」というコメントをしていました。

ほんの僅かでも科学的な思考力を持っていれば、これが完全なニセ科学であることは一目瞭然のはず。
そのほんの僅かな思考すら行われない現状は、科学リテラシーの極度の低さを物語っているのか、それとも完全に受動的なテレビ視聴という行為の問題を表しているのか。

本気でこの国の行く末を心配してしまいます。

8 Comments

  1. よくある話ですね.
    こういう風に扱えば,人は面白がるから取り上げやすいのでしょうけど.
    いまだ,アポロは月に行かなかったって聞いてくる人がいますよ.
    以前,高校の物理の教員が,月面の星条旗がはためいているのは
    太陽風のせいだと本気で信じていたときは,ショックで言葉が出てきませんでした.
    どこまで本気で風が吹いてるなんて思ったんだろうか.

    もっとも,人類はもはや月に行くノウハウを失いましたけどね.

  2. >さいとーくん

    そうなんだよね。
    高校で物理や化学を教えている教員が最低限の科学常識を持っていないことが多い。
    無批判に非科学的な情報を垂れ流すマスメディアの責任は大きいと思う。

  3.  初めまして。
     科学的な思考の欠如が人間の未来に落とす影について、似非科学を流布する人達は考えた事があるのでしょうか。
     科学の全てが実学になってはならないと思います(例えば、小柴先生のノーベル賞受賞会見で、いきなり『この発見が何の役に立つのか』と質問した記者のような短絡は…)。サイエンスとテクノロジーは同じでは無い。…が、
     似非科学を笑ってすませない愚かな潮流を止めるには、ある程度実学的と言うか、損得観念に訴えざるを得ないのかな、とも思います。科学的思考の本当の価値を説くのは、その後に…と。
     極端な話、例えば『水からの伝言』を信じた子供が、大洪水を止めるためにその水に話し掛けて、虚しく洪水の犠牲になったとしたら、彼らはどう思うのか…という様な論法で。
     似非科学喧伝者の中には、少なからず金儲け目当ての輩がいるのでしょう。視聴率が確保出来るから、こんな番組を作る。彼らなりの実学に基づいて、行動している。
     やはり、そんな目先の利益を吹き飛ばす様な、人類規模の損害を訴える=恐怖を与える事も、時には必要なのではないか、と思いました。
     それでは。

  4. 結構昔の記事みたいですが、コメントしてしまいます。ごめんなさい。

    その似非科学の内容を信じている人は、全員、重要な人物じゃないから、特に問題ないのではないでしょうか。
    というのは、別に、その人たちが本当のことがわからなくても、社会には全く影響ないし、その人が運悪く赤っ恥をかくかもしれないというだけですから。
    未来の科学者となるような人材は、そんな似非科学にだまされはしませんし、TVの情報を鵜呑みにするような人は科学者にならないだけのことです。

    だから、このTV番組が何をしようと何の問題もないと思います。

    逆に、こういう似非があったほうが、親が教育の材料として利用できるからいいのでは?
    「こういう似非にはだまされてはいけない。自分で判断することが大切だ」って子供に言えるし、何故似非なのか子供が興味を持てば、それこそ真理追求欲の芽生えじゃないですか。

    有効利用するのか、糞番組だとののしるのかは大人次第かもしれませんね。

    最後に、似非科学を平気で放送する番組が糞というのは正しいと思います。番組名までは言えませんがww

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