「グーグル八分とは、何か? それは、グーグルが行っている 「恐怖政治」 の別名です。グーグルは、その圧倒的な資金力と収益力、そして市場独占力によって、ネットの言論を支配し、批判を封じ込めています。」(本書 まえがき より)
[tmkm-amazon]4861671469[/tmkm-amazon]
いきなり衝撃的な告発から始まる本書は、読み進めるにつれさらにそのボルテージが上がり続けます。
グーグルワールドの闇が徹底的に洗い出される様は、なかなか壮観です。
ではまず、この「グーグル八分」の現状を見てみましょう。
著者のサイト「悪徳商法?マニアックス」は実際に「グーグル八分」を受けています。
以下のリンクは、グーグルで “悪徳商法?マニアックス” で検索したときの結果です。
1ページ目の一番下に
Google 宛に送られた法的要請に応じ、このページから 1 件の検索結果を除外しました。ご希望の場合は、ChillingEffects.org を除外するに至ったクレームを確認できます。
Google 宛に送られた法的要請に応じ、このページから 3 件の検索結果を除外しました。ご希望の場合は、ChillingEffects.org を除外するに至ったクレームを確認できます。
という記述があるのが分かるでしょうか。
これこそが「グーグル八分」と呼ばれるものです。
「グーグル八分(グーグルはちぶ、Google八分)とは、インターネットの検索エンジンであるGoogle(グーグル)で本来なら上位に表示されるはずのウェブサイトが、検閲などにより検索の対象から外れるよう操作され、検索の結果に表示されない状態をいう。村八分になぞらえて呼ぶ言葉である。」(出典:ウィキペディア)
「悪徳商法?マニアックス」は悪徳商法業者をウェブ上で告発することを目的として運営されているサイトです。
つまり、グーグルは悪徳商法業者からの圧力により、本来守るべき正義を訴えるサイトを「村八分」にしたと考えられるわけです。
まさかグーグルに限ってそんなことが!?というのが正直な感想でした。
Web2.0時代の寵児として「あちら側」で頂点を極め、「知の世界の秩序の再編成」および「富の再分配」を行い、「ウェブ上での民主主義」すら確立しようとしているグーグル。
そのグーグルが自らのポリシーに反するような「グーグル八分」に手を染めていることは、多くの人にとって非常にショッキングな事態だと思います。
本書はあくまでも「グーグル八分」を受けた側からの一方的な告発本なので、もちろんその解釈については慎重にならなくてはいけません。
しかし、これまでウェブ礼賛・グーグル万歳を声高に叫んできたグーグル至上主義の方(僕もある程度それに近いですが)は、一度冷静に全体を捉え直す必要があることも確かでしょう。
本書は、様々な「グーグル八分」の実例、表現の自由と名誉毀損のバランス、図書館の規制との闘いの歴史、などウェブ世界の将来を考えるための情報がたくさん詰まった一冊です。
ぜひたくさんの方に読んでいただきたいと思います。
本サイトの名前、そしてみなさまのサイトの名前がグーグル版「デスノート」に書かれませんように。。
☆他の人の記事も読む☆
『なまけもの』の読書記録
Essais: Boring Days
Leave a Reply