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kepler16b*Kepler-16bの想像図*
 Kepler-16b とは、白鳥座に位置する K 型星の Kepler-16A と M 型星の Kepler-16B の連星 Kepler-16(AB) を周回しており、恒星同士の連星を公転している惑星としては初めて発見されたものである。そのため、Kepler-16b の地表からは "太陽" が二つ確認できる。イメージとしては、映画「スター・ウォーズ」に登場するルーク・スカイウォーカーの故郷タトゥイーン(Tattooing)があげられるが、半径が地球の 8.5 倍、質量は地球の 105 倍と、サイズとしては太陽系の土星に近い。ガス惑星であると考えられる Kepler-16b 上には地球のような生命体がいるとは考えにくいが、仮に地球サイズの衛星が存在すると仮定すると、十分な大気を持てば生命体が発生する可能性はあると予想され、想像図には仮想衛星 HA から見た Kepler-16b(土星を連想させるリング惑星を描いた)と、遠くに輝く二つの太陽(Kepler-16(AB))が見える図を描いた。(絵・文:藤田汐音)

D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?
(我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか)

 フランスの画家ポール・ゴーギャンが 1897 年から 1898 年にかけて描いた絵画のタイトル。人類の根源的な問いを描いたといわれる。

 

kepler186f*Kepler-186fの想像図*
 Kepler-186f とは、白鳥座に位置する M 型主系列星の Kepler-186 を主星とし周回する太陽系外惑星である。地球から 492 光年離れたところを約 130 日周期で公転しており、太陽系外のハビタブルゾーンにおいて初めて発見された地球に近いサイズの惑星である。恒星の Kepler-186 は赤色矮星で赤い光を放っており、質量は 0.478 太陽質量で表面温度は 3,788 K である。そのため惑星である Kepler-186f に届く光エネルギーが弱く、赤色光および赤外線成分が多いので、地球上で見られる緑色のクロロフィルa ではエネルギー吸収に適さないため、波長の長い光をより吸収しやすい黒色の光合成色素を有する植物が生息していると考えられる。
 また、主星との距離が 0.36 AU (地球-太陽間の距離(1天文単位 = 1AU)のわずか 36 %)と近いため、主星の重力から生じる潮汐力により自転と公転の同期が発生し、恒星に対し常に同じ面を向いて回っているので、恒星の光を受けている面は水分が干上がり、逆側は氷におおわれていると考えられるため、ハビタブルであるのはその中間地域と想定される。温度の高いところから低いところへ風が吹くので、地表では恒星の方向から常に強風が一定方向に吹いていると考えると、植物も常に同じ方へ向くと予想される。(絵・文:下崎紗綾)

Where are they?
(彼らはいったいどこにいるんだい?)

物理学者エンリコ・フェルミが最初に指摘した、地球外文明の存在の可能性の高さと、そのような文明との接触の証拠が皆無である事実の間にある矛盾、いわゆる「フェルミのパラドックス」を導き出した問いかけ。