NHKで制作され世界中で数々の賞を受賞したテレビ番組「史上空前の論文捏造」をもとに書き下ろされた新書です。
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科学の殿堂「ベル研究所」において、最もノーベル賞に近い男とまで言われたヘンドリック・シェーンによってなされた、一大論文捏造事件。
なぜ捏造が起こったのか、なぜ研究所や科学ジャーナルは不正を防げなかったのか、そしてなぜ世界中の研究者がこれほど稚拙な論文捏造事件に振り回されてしまったのか。
シェーン事件というひとつの事件を通して、現代の科学界の問題と課題をくっきりと浮かび上がらせます。
全ての研究者が読むべき本だと思います。
そして日本でも論文捏造問題が頻発している今日、研究者以外の方にもぜひ本書を通してこの問題の本質を理解していただきたいと思います。
もともとテレビ番組用に取材・構成されたものであるため、単にドキュメンタリーものとして読んでも非常に読みやすく、ぐいぐいと引きずり込まれること間違いありません。
下手な小説を読むよりもはるかにドラマチックで面白く、一種のミステリーのようなドキドキ感にもあふれているので最後まで飽きずに読み切ることができるはずです。
とにかく文句なしに手放しでオススメできる一冊です。
ぜひたくさんの方に読んでいただきたいと思います。
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コラムに科学者の不正行為に関する短い記事を書いています。
また加筆・修正をするかもしれませんが、よかったらそちらも読んでみてください。
論文捏造などの研究不正は増えるばかり