「男」という不安 小浜逸郎(PHP新書)

フェミニズムに対して真っ向勝負、というやや古いタイプの新書です。
いろんな意味でビミョ〜な一冊。
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まず、内容が首尾一貫していないので、結局何が言いたいのかよくわからない感じで進んでいきます。
で、最後の最後で著者自身のトラウマ体験が語られ、「なるほど、それが原罪となっているわけね」というところに軟着陸。

勝手にやってくれと言いたくなりますが(笑)、行き着くとこまで行っちゃえば岸田秀みたいになっちゃう人もいるわけで、第三者として著作を読む分には害も無いので気にせずサクサク読みましょう。

主張的には「え、いまどき?」と言いたくなるぐらいアンチ・フェミニズムをガンガンに展開していますが、ひとつひとつの主張はそれなりに納得できるものなので、上野千鶴子とケンカしてる状況を想像しながら読むと結構楽しいかと思います。

ただ惜しむらくは、本書が出た当時(2001年)はまだフェミニズムも、そして上野千鶴子も影響力があった時期だったかもしれませんが、今ではもはやフェミニズムは死語となってしまっているということ。

「『フェミニズム』ってなんですか?」
え?
キミ、フェミニズムって言葉知らないの?
見渡すと、13名いたゼミ生の大半がゆっくり首を横に振った。
ちょっと待ってね。
「フェミニズム」って言葉、聞いたことがない人っているの?
8人が手を挙げた。
聞いたことはあるが意味を知らないと言う人は?
2人が手を挙げた。
さすがの私もこれには驚いた。
「上野千鶴子」って、知ってる?
全員がきっぱり首を横に振った。

(引用:内田樹の研究室: エビちゃん的クライシス

あら〜(笑)
戦う相手が勝手に自滅しちゃったら、せっかく準備万端で戦いに出向いた意味が無いですよね。

本書を含め、過去に大量に出版されたであろうアンチ・フェミニズム本は、今後どこにその存在意義を見いだしていけばいいのでしょうね。
かわいそうに。南無南無。

それはそうと、この本では「男という不安」についてはほとんど触れられていなかった気がしてきました。
なぜこのタイトルにしちゃったんだろう?

結局よくわからん本でした。
気になる人は読んでみてください。
そして、著者が何が言いたかったのかを教えてくださいな。

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