村上春樹:エルサレム賞受賞スピーチ

日本のマスゴミでの紹介のされ方があまりにもアレなので。きちんと全文を読むべきだ、ということで備忘録的に。

原文:Always on the side of the egg
訳文:常に卵の側に

以下、一部抜粋。

Yes, no matter how right the wall may be and how wrong the egg, I will stand with the egg. Someone else will have to decide what is right and what is wrong; perhaps time or history will decide. If there were a novelist who, for whatever reason, wrote works standing with the wall, of what value would such works be?

ええ、どんなに壁が正しくてどんなに卵がまちがっていても、私は卵の側に立ちます。何が正しく、何がまちがっているのかを決める必要がある人もいるのでしょうが、決めるのは時間か歴史ではないでしょうか。いかなる理由にせよ、壁の側に立って作品を書く小説家がいたとしたら、そんな仕事に何の価値があるのでしょう?

村上春樹の、小説家としての生き方、また人間としての覚悟が集約された言葉ですね。胸を打たれます。

個人的なことになりますが、実はたまたまつい最近村上春樹の作品(初期作品)を再読し始めたところだったので、ぴったりのタイミングでの彼の statement に、感動しています。しばらくは続けて読んでいきたいと思います。

やはり村上春樹には、早くノーベル文学賞を受賞してもらいたい。

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