Thursday February 23rd 2012

教育・普及

教育活動についても積極的に取り組み、学際性・実行力・国際性を持ち、分野横断的な複合科学を切り拓く、広い視野を持った次世代研究者の育成に力を尽くしたいと考えています。
また学部での講義や一般講演などを通し、自らの研究の成果をはじめとした惑星や生命に関する最新の知見、および学際的研究の魅力や重要性を伝えていく活動についても、積極的に携わっていきたいと考えています。

卒業論文指導

上田翔士「内部海を持つ地球型惑星の生命居住可能性」(2011年度)
系外地球型惑星と思われる天体や宇宙空間を漂う浮遊惑星が発見され始めている昨今、生命居住可能な系外地球型惑星や浮遊地球型惑星が存在するのかどうかということは非常に重要なテーマである。そういった状況の中で、表面が全球凍結しているが氷の内部が地熱によって溶けて、表面が氷に覆われた海 (内部海) が出来ることが分かっており、内部海の生命居住可能性について数多くの研究がなされている。本研究では惑星内部からの熱フラックスによって、惑星進化のタイムスケールで内部海を保持する系外地球型惑星・浮遊地球型惑星について、惑星質量・中心星からの距離・惑星表面の水の量・放射性熱源の量をパラメータとしてふり、議論した。地球と同質量で温室効果がない系外地球型惑星は 1AU において地球の 0.5-8 倍の水を表面に持つ場合、または地球の 0.4 倍以上の放射性熱源を持つ場合に内部海をもつことが出来る。8 倍以上の水を表面に持つ場合は、内部海の底に高圧氷が生じてしまい、ハビタブルでなくなる。内部海をもつ条件というのは質量依存性が高く、質量が地球の数倍の場合、内部海を保持する可能性が大きくなる。地球と同質量で温室効果がない浮遊地球型惑星は地球の 2-8 倍の水を表面に持つ場合、または地球の 2 倍以上の放射性熱源を持つ場合、内部海をもつことが出来ることが分かった。8 倍以上の水を表面に持つ場合は、上と同様にハビタブルでなくなる。海惑星よりも内部海をもつ地球型惑星のほうが系外惑星や浮遊惑星において一般的であることが示唆されたため、研究や探査の際に海惑星以上に内部海を持つ地球型惑星にも留意しなくてはならない。


尾花勝太「木星トロヤ群形成に対する土星成長の影響」(2010年度)
木星の軌道上には、2つの小天体群が存在する。これらは、木星トロヤ群と呼ばれ、ラグランジュポイントの L4 と L5 付近に存在している。木星トロヤ群の形成シナリオは2通り考えられているが、未だにどちらのシナリオが正しいかを決定づける有力な理論が存在しない。そこで本研究では、片方のシナリオに注目し、本当に木星トロヤ群が形成可能なのかを再考した。具体的には以下の通りである。観測によって、L4 木星トロヤ群のサイズ分布の特徴のひとつとして、「直径約 5km 以下の小天体のサイズ分布の傾きが小さい」ことがわかっている。この特徴を説明可能とされている Marzari & Scholl (1998) の研究は、特定の状況のみを扱っている。よって、惑星形成論の立場から見ても妥当と言える様々なパラメータを用いて、彼らの主張を確かめた。特に、土星がガスを集積する位置やタイミングに妥当な範囲の極値を与えた。その結果、本研究で与えたすべてのパラーメータにおいて、Marzari & Scholl (1998) の主張は確認できた。しかし、一部の計算では、木星トロヤ群自体が形成されなかった。

講義

神奈川大学「天文学概論」(2008-2011年度)
天文学が研究対象とするものは、太陽系天体・我々の銀河系内の天体から、遠方の系外銀河・銀河団、果ては宇宙全体に至るまで、非常に幅広いスケールに及びます。近年は観測機器の波長域も様々に及び、これらのシステムの多様な姿が明らかになってきています。また近年続々と発見されてきた太陽系外惑星は、我々に新しい世界観・生命観をもたらし始めています。本講義では、様々な天体を専門とする複数の研究者によるオムニバス形式の講義を通して、これら多様なテーマについて理論と観測の両面から最新の天文学を紹介していきます。


東京工業大学「電磁気学演習」(2011年度)
電磁気学は力学と並ぶ重要な基礎物理であるとともに、地球惑星科学分野における応用例も多く、理工学系の学生にとって必須の科目のひとつです。ところが電磁気学は力学と比べて内容も多く、新しい概念や法則が次から次へと出てくるため、講義のみで全てを理解するのは非常に困難です。そこで本演習では、多くの問題を自ら解きまたお互いに解説し合うことで、実際的な問題解決能力を身につけるとともに、電磁気学への理解を深めることを目指します。

一般講演

神奈川大学附属中高等学校講演会「太陽系外惑星に生命を探せ!」(2011/11/12)
神奈川大学高大連携協議会「探査機 はやぶさ が読み解く太陽系形成の謎」(2010/12/03)
若手研究者のキャリア形成研究会「Ph.D.交流会」(2009/11/14)
三文会「異形の惑星たち 〜宇宙はヘンな惑星であふれてる〜」(2008/08/06)
三文会「もはやSFではない ~太陽系外惑星に生命を探れ!~」(2008/02/20)


各教育機関・施設等での非常勤講師や一般講演などのご要望は takanori@geo.titech.ac.jp までご連絡ください。
(全角@を半角@に書き直してください)

またサイエンスカフェなど、小規模グループでの講演に関しても可能な限りお引き受けいたしますので、遠慮無くご相談ください。