ふしぎな物語です。
“家出”した”やどかり”をめぐって(そして周りを取り巻くヘンな人たちをめぐって)ふしぎなふしぎなお話が続きます。
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最初は江國さんらしい「ちょっとだけズレた」世界が広がっていましたが、途中からはそのズレがどんどん大きくなっていき、最後は完全に別世界に連れて行かれてしまいました。
村上春樹的とでもいうんでしょうか、完全にこっちの世界とは手を切って、独自に作り上げたシュールな時間・空間の中で物語が展開していきます。
メタファーだらけの仮想世界。
暗黙の世界秩序と価値観、時間空間認識。
う〜ん。
いや、こういうのも嫌いじゃないんですが・・・どうもしっくりこなかったんですよね。
だって全く江國らしくないんだもん。
江國さんって、「こちら側」と「あちら側」の境界線ギリギリあたりを、すました顔で「日常」として描く力が卓越していると思うんですよ。
だから完全に「あちら側」に行ってしまうと、江國さんの一番の魅力が失われてしまっている気がして、ちょっと違和感があるんですよね。
まだ彼女の作品を全部読んだわけではないので、もしかすると江國さんにはまた別の魅力が眠っている(僕が気づいていないだけ)かもしれませんが、今の段階ではやや受け入れがたい作品でした。
口直しに「流しのしたの骨」あたりを再読して江國ワールドに浸り直そうかな。
☆他の人の記事も読む☆
気ままにBook Life
のほほんの本
こんにちは。時間が経ってしまいましたが、トラックバックからおじゃましました。
僕は今まで、江國さんの描く正気と狂気の境みたいなものを、登場人物一人ひとりの思考の中でしか見ていなかったので、『なつのひかり』も結構自然に読めちゃいました。でも、「世界」に視野を広げると、確かに異質な作品かも。勉強になりました。
他の記事も拝見しましたが、いろいろ、面白そうな本を紹介していらっしゃるみたいですね。これからもときどきお邪魔して参考にしたいと思うのでよろしくお願いします。
>山村祐介さま
コメントありがとうございます。
実は最近、山村さんの読書日記はお気に入りで定期購読しています (^^)
いつもドキッとさせられる感想が書いてあって、とても勉強になります。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
はじめまして(^_^)
江國かおりがだいすきで読みあさっててようやくこの作品にたどり着きました。
最初わいつもどうりの江國ワールドだったのですが読むにつれて
これわちがうなっておもいましたf^_^;私のすきな江國さんじゃなくて読むスピードが格段に落ちました…
後半にさしかかりこの本の口コミをみたく検索したらやっぱり、らしくないみたいなコメントがいっぱいあって同じように思ってる方が意外といてほっとしましたf^_^;
私にわまだまだ理解できない世界観でした