Shibaike, Sasaki & Ida (2016)

東工大のときの学生さんの論文が無事に publish されました。

“Excavation and melting of the Hadean continental crust by Late Heavy Bombardment”
Y. Shibaike, T. Sasaki & S. Ida, Icarus (2016)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0019103515004960

以下に論文の内容についての簡単なまとめを載せておきます。興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてください。(論文のPDF

冥王代(40-45億年前)にはすでに大陸地殻が存在していたと考えられていますが、冥王代に形成された岩体は現在地球上のどこでも見つかっていません。その原因として、冥王代末期に訪れたと考えられている後期重爆撃(Late Heavy Bombardment)による、大陸地殻の破壊・溶融が一つの可能性として提案されています。本研究では LHB をシンプルにモデル化し、パラメータスタディを行うことによって、この可能性の検証を行いました。その結果、幅広いパラメータ範囲において、単純に LHB そのものによる破壊・溶融だけでは全ての大陸地殻を消失させることは難しいことが判明しました。ただし、溶融・噴出したマグマが全球を覆うことで、冥王代大陸地殻を地表から隠してしまう可能性は十分にあり、これによって冥王代の岩体が地表に露出していないことを説明できるかもしれない、という示唆も得られました。

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.




CAPTCHA