冥王星が惑星から外れ、準惑星最大の天体になってから1年弱。
冥王星が惑星ではなくなるきっかけを作った天体のことをみなさん覚えていますか?
その天体名は「エリス」。
参照:幻の第10惑星の名前は・・・
このエリスが、またもや大変なことをやってくれました。
最近の研究で、エリスがどうやら冥王星よりも重い天体であることがわかったのです。
すなわち、冥王星は惑星から外れたのみならず、準惑星の中でも最大の天体ではないことが判明したのです!
参考文献:
Michael E. Brown & Emily L. Schaller, The Mass of Dwarf Planet Eris, Science 316, 1585, 2007
この論文では、エリスの衛星の軌道を観測して、そこからエリスの質量を計算しています。
衛星が円軌道を描いていること、衛星が1つだけである可能性が高いこと、をそれぞれ示した後に、ケプラーの法則からエリスの質量を計算すると・・・
質量:1.66×10^22 ± 0.02×10^22 kg
これは冥王星の質量の 1.27±0.02 倍に相当します。
また過去の観測で推定されているエリスの半径から天体の密度を見積もると・・・
密度:2.3±0.3 g/cm3
これは冥王星・トリトンなどと同程度の値で、EKBOsの中では高い密度を示しています。
つまり、岩石成分を70%以上含んだ天体だということです。
完全に冥王星と同じ土俵で勝負して、勝っちゃいましたね。
ちなみに冥王星には現在NASAの探査機「ホライズン」が向かっています。(2015年到着予定)
今回の報告にめげずにがんばってほしいところです。
参照:NASA New Horizons
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