MiAUより、愛を込めて

最近忙しくてなかなかブログを書いてる余裕が無いのですが、パブコメ提出の際にもお世話になったMIAUより次のキャンペーンのお知らせがありましたので、全文引用してみなさまにご紹介したいと思います。
ちなみに、このキャンペーン以外にもMIAUではいろいろと素敵なことを企画中です。(実は僕も協力会員のひとり)
ネットワークの自由と表現の自由を求め、これからも地道に活動を続けていきたいと思っています。
興味のある方は、MIAUのサイトより詳しい活動内容をご参照ください。

###ここから引用###

Super-Express your gratitude for the person who help your soul.
MIAUの「大感謝祭」キャンペーンのお知らせ

miau_thanksgiving


皆さま、パブリックコメントの提出ありがとうございました。皆さまの声が私たちの政府の耳に届き、私たちの幸福が少しでも大きなものになりますよう。私たちMIAUも、皆さまの声をより政策に反映させられるよう、これからもささやかながら努力していくつもりです。

さて、いわゆる権利者と呼ばれる団体や個人の皆さんの中には、MIAUを敵対勢力、戦闘的勢力と誤解している人たちがいるようです。彼らにとってみれば、自分達の当然の権利であり利益であるものを、MIAUの主張が侵害しているものと思っているようなのです。さらに、そうした人たちの中には、 MIAUが違法行為を容認し促進しているとまで誹謗する人がいるようです。残念なことです。

私たちは、インターネット時代の情報流通のあり方の現実と本質から判断して、ダウンロード行為そのものを著作権の侵害行為とすることは、直接的には、(a) 創作者の正当な利益を守るための手段としては的外れであり、さらに、(b) あまりにも多くの一般のネットワークユーザーを違法状態に追い込むことになる愚策であると主張しています。さらにその愚策は、長期的には、(c) 創作者本人の創作活動の自由や便宜を侵害するとともに、(d) 法に対する私たちの信頼と法に従う気持ちを失わせてしまうと主張しているのです。MIAU発起人の一人である白田秀彰准教授が『ほんとうの創作者利益について』でも表明しましたように、創作者がより自由に安心して創作活動を実践できる環境を整備するお手伝いをしたいと願っています。

さて、そうしたMIAUの次のキャンペーンは、MIAUの「大感謝祭」です。

12月24日夜から25日にかけて、「クリスマス」という良く知られた行事があります。一般にはキリスト教の行事で、イエス・キリストの誕生日を祝う行事ということになっています。が、もちろん、イエスの正確な生誕年月日が明らかなはずもなく、その12月25日という日は、キリスト教が欧州に普及する以前から存在していた、欧州諸民族の冬の祭り、すなわち「死」の象徴である冬が極まったとき、「世界の再生」を願う祭りが原型であるといわれています。人々は、冬でも緑を失わない常緑樹を生命力と永遠の象徴とし称え、仲間達と飲食を共にし、これからまだ続く厳しい冬を乗り越える力を蓄えるのです。後に、キリスト教の祭礼として取り入れられ、教会でミサなどが行われていることは、皆さんの良く知るところです。

本来、家族とともに過ぎた一年を振り返り、愛と感謝を交し合い、新たな一年への備えをする日であり、私たちの救済者であるとされるイエス・キリストがこの世に顕れたことを、ミサに出席して祝う日であります。私はクリスチャンではありませんからミサに出席したことはありません。しかし、世界の多くの人々が、このキリスト教によるクリスマスを受け入れて祝っていることは、あきらかなことです。さて、そうした本質をもつクリスマスに、私たちはどのように振舞っているでしょうか?

高度成長期あたりから、クリスマスにサラリーマンのお父さん達が、呑めや歌えの宴会をしていたことは良く知られていることです。現在でも、夜の飲食店では、オジサンたちとお姐さんたちのクリスマス・パーティが広く行われています。

70年代あたりから、クリスマスは、年末商戦の一つに位置付けられて、デパートで商店街で特売と連動して宣伝されるようになりました。クリスマスにつき物の「ケーキ」や「鶏のもも肉」などを売るお店は、一心に宣伝するようになりました。クリスマスにプレゼントを交換する習慣があるとされたことに便乗して、高額なブランド品や宝石を売る業界も宣伝を強化するようになりました。そうして、ごらんなさい。12月にもなれば、あのシャンシャンシャンというベルの音や、あの お決まりの楽曲が町を埋め尽くすのです。

80年代あたりから若者達が、クリスマスに意中の異性と旅行や泊りのデートをするようになったことも良く知られていることです。松任谷由美さんの名曲『恋人がサンタクロース』や、山下達朗さんの名曲『クリスマス・イヴ』などがクリスマス気分を盛り上げるようになったのも、この頃からですね。スキー場で、ホテルで、飲食店で、マンションの部屋で、一斉に愛が交わされる日になったのです。え…愛?

これらのどこがイエスの唱える「愛」の実践なのでしょう(笑。

単なる欲望じゃないか。

きっとイエスは、淋しき者を癒し、孤独な者に救いを与えることを「愛」と説くでしょう。どうしてクリスマスは、淋しき者や孤独な者を疎外し苦しめる日となってしまったのでしょうか。私は、きっとそこに誰かの商業的利益に動機付けられた倒錯があったものと考えます。

インターネットのユーザーには、淋しい人孤独な人が多いように思います。アプリケーションの開発において、MIDIでの作曲において、動画編集において、どうしても私たちは人付き合いが疎かになってしまいがちです。私は、そうした「何かに打ち込んだため何かを失った人たち」をたくさん知っています。偉大な ──いや些細なものであっても──創作や知的成果の影には、そうしたやむにやまれぬ衝動に突き動かされた人々の「命を削る献身」があるのです。

これから12月25日まで、今年一年を振り返り、あなたの淋しさを慰めた人、あなたの魂を救った人に感謝を伝えてみませんか?あなたの作業を助けたソフトウェア、あなたの慰めになったサービス、あなたを笑わせた動画、あなたを涙ぐませた音楽、あなたを救ったテキスト、それらあなたの魂を支えた人たちに感謝を伝えてみませんか?

企業ではなく開発者、会社ではなく創作者。あなたの感謝を捧げるべき人は誰なのでしょう。その人のことをあなたが感謝の気持ちとともに考えるだけで、その人の慰めとなるでしょう。あなたのその気持ちをブログで、掲示板で、電子メールで表明してみませんか?

もし、その人がその感謝の一文を読んだときに、どれほど勇気付けられるかしれません。もし、その人が誰だかわかるのなら、感謝の気持ちをプレゼントや寄付であらわしてみたらどうでしょう。淋しく24日を迎えているかもしれないその人に、いくらかでも暖かい部屋や豊かな食事を振舞うことができるかもしれません。

インターネットでは、著作権侵害が横行していると言われます。インターネット利用者は一般的に、著作権者から利益を奪う泥棒か強盗のように言われます。でもそれは、私たち一般のインターネット利用者が、創作者本人に感謝を伝え、経済的に支援する合理的で効果的な手段をもっていないからに過ぎない、と MIAUは考えています。いわゆる権利者団体の人たちは「自分達が存在して金銭を仲介しないと、私たちの感謝の気持ちや善意の対価が創作者に渡らない」 と主張します。ほんとうにそうでしょうか。私たち自身の力で、私たちは創作者を直接に支援できるのではないでしょうか。そうすることが、本当の意味での創作者の支援になるのではないでしょうか。

MIAUは、そう考えて12月25日までを「大感謝祭」と位置付け、「なんとかして私たち利用者の感謝と愛を創作者の皆さんへ伝える日」としてしまいたいと思います。私たちで助け合いながら感謝を伝えるもっともよい方法を考えてみませんか? どうすれば、感謝の気持ちを伝えられるか工夫してみませんか?皆さんの知恵を貸してください。みなさんの工夫をみせてください。

著作者:MIAU

###ここまで引用###

(全文引用:MIAU「大感謝祭」キャンペーンのお知らせ

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