脂肪の塊・テリエ館 モーパッサン(新潮文庫)

よくできた物語でした。
さすがは古典的名作。
安心して楽しめるところが嬉しいですね。
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両作品とも様々な立場の人たちがそれぞれの思惑を持ちながら、真面目に滑稽に各自の役回りを演じきります。
深刻な内容のはずなのにどこかほのぼのとした雰囲気を持っていて、ちょっとした寸劇を一幕ほど見させてもらった感じでした。

細かい人物描写も行き届いているので、短編にもかかわらずしっかりと全員がキャラ立ちしており、読者を魅了します。
本当によくできた作品です。

さて、ところでモーパッサンといえば、エッフェル塔が大嫌いなのに毎日エッフェル塔に通い、その理由を聞かれて「パリで唯一エッフェル塔を見なくて済むところだから」と答えたことで有名ですね。
いかにもフランス人的なエスプリの効いた「うまいこと」を言っちゃってます。

「うまいこと」といえば、チャップリンが自分の作品の中で一番好きな作品は何かと聞かれて「next one(次の作品)」と答えたのもうまいですね。
こういう素敵なジョークを飛ばせる大物って、憧れますよね。
うんうん。

閑話休題。

本題に戻りますが、薄いながらも十分に楽しめる本なので未読の方はぜひ読んでみてください。
「脂肪の塊」というタイトルが強烈過ぎて食わず嫌いになっている方も、よかったらぜひご一読を。

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