「不都合な真実」上映会@安田講堂

元米副大統領(そして一瞬だけ大統領の座にもついた?)アル・ゴアによる地球温暖化に警鐘を鳴らす映画「不都合な真実」の上映会に行ってきました。
場所はなんと安田講堂。
法人化してから東大もいろいろがんばってますね(笑

上映会の前には住さんをはじめとするIPCCメンバー4名によるパネルディスカッション付き。
地球温暖化問題がいかに政治と結びついた問題であるのか、その辺りの裏話がたくさん聞けて、かなり面白かったです。
こういうパネルディスカッションはいい。

さて映画ですが、実際には映画というよりはアル・ゴアの講演会を編集し直してより印象的に仕上げたという感じです。
途中でアメリカ映画的な「くだらないヒューマンドラマ」の部分もありましたが、全体としては観測事実や科学的妥当性に基づいた良心的な作りになっていたと思います。
#アメリカ人は一歩間違うと「The Day After Tomorrow」や「The Core」のような滅茶苦茶な映画を作りますからね。

地球温暖化をはじめとする環境問題に関心のある人にはもちろんオススメの映画ですが、できればこれまであまり環境問題に興味を持ってこなかった人もぜひ本映画を見てみてください。
人生観が変わるとまでは言いませんが、それなりに衝撃を受ける映画だと思います。

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以下、ちょっと話がズレますがお付き合いください。

アル・ゴアは温暖化問題に対して「勝利する」ことを強調しています。
映画の中でもはっきりと言っていますが、それは「ファシズムに勝利する」ことや「共産主義に勝利する」のと同じニュアンスでの「勝利する」です。

アメリカはこれまであらゆる戦いに勝利してきたのだから(本当か?)、今度も温暖化問題に対して我々の英知を集結させれば必ず勝利できる、という論調で聴衆に語りかけているのです。

はっきり言って、今の地球温暖化の原因の大部分はアメリカの過剰な消費社会構造にあります。
実際、世界のCO2排出量の約4分の1をアメリカが占めていますし、国民一人当たりのCO2排出量もオーストラリアとともに断トツで世界一です。
そして、それだけCO2を排出しまくっている一方で、京都議定書には批准せず経済優先の政策をとり続け、地球温暖化問題を完全に無視してきたのです。

「温暖化問題に勝利する」なんて、よく恥ずかしげもなく言えますよね。
「世界中の国々に迷惑をかけてきた。今こそこの罪を償おう」ぐらい言えっての。

今後アメリカが地球温暖化問題に目覚め、本気で温暖化対策を行えば、当然ですがかなりの量の温暖化ガスの減少が見られるようになることでしょう。(世界一の排出国なわけですから)
そして地球温暖化の危機的状況もかなりの程度押さえられることになるでしょう。(原因の大部分がアメリカなのですから)

そのとき、きっとアメリカは言います「我々は温暖化問題に勝利した。アメリカ万歳」と。
「アメリカが本腰を入れてはじめて温暖化問題は解決したのだ。やはりアメリカは世界一だ」と。

なんか腹立ちますよね。
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