静かな狂気に支配された作品です。
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ママと娘のそれぞれの視点から交互に語られていく構成をしているのですが、その使い分けが本当に見事。
江國さんの中に二つの人格がいるとしか思えません。
また、微妙な雰囲気をうまく描き出すところや、少しずつ「ずらし」ながら読者をクラクラさせるところなど、作家としての技術の精確さに溢れた作品でもあります。
でも、なんと言っても一番素晴らしいのは、静かな狂気を描き出すその見事さ。
優しく穏やかな文章を気軽に辿っているうちに、いつの間にかとんでもない狂気の深みにまで連れて行かれていることに気付いて、背筋が凍ります。
江國香織にハマるのは危険だ。
自分自身の中から警告が発せられているのを全身で感じています。
でも、たぶん、もう手遅れなんでしょうね。
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あまいのがすき2。(*u∀u*pq)+.゜:神様のボート/江國香織
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