村上武史@Lセミナー

個人的なメモです

「金星表層環境」

*金星*

岩石惑星一般の環境を論じることができる

表面
 コロナとよばれるプルームテクトニクスを示唆する地形
 プレートテクトニクスは確認されず
 表面岩石組成はMORBに似ている

大気
 アルベドが高いので熱圏の温度は地球よりも低い
 地表付近は温室効果が強く効き高温
 濃硫酸の雲
 硫黄(SO2)が重要:雲形成と温室効果の両方に効く

 →金星での硫黄の挙動について考えることが必要である
   金星の現在の気候は定常?変動?
   硫黄の循環モデルを表面鉱物と大気のバッファ反応に注目して構築したい
    [e.g. Hashimoto and Abe, 2005]

重要な鉱物:CaCO3, CaSO4, FeS2, Fe3O4, Fe7S8

*バッファ反応*

カーボネイトバッファ:[Urey, 1952]
 →SO2が過剰になる問題 [Fegley, 1988; Fegley and Prinn, 1989]
 →化学反応と温室効果フィードバックにより不安定となる [Hashimoto and Abe, 2005]

パイライトバッファ:[Wood, 1996]
 存在そのものへの疑問あり、redox状態によっては存在できる
 →このモデルでCO2, SO2ともに説明でき、化学反応とアルベドフィードバックで安定化 [Hashimoto and Abe, 2005]

パイライトの安定性 [Fegley et al., 1995] ←これを改良したものをやりたい
 金星環境下でのパイライトの存在タイムスケールは短いので、現存していないと思われる

[Fegley et al., 1995] に対する批判
 実験はガスを流し続けたので、反応は一方的に進んだ
 1気圧下での実験であった

 →改善の余地
   圧力の依存性・適切なガス・熱平衡モデル考え直し

#再現実験は簡単、でも高圧にするのは難しいかも
#その他の実験条件をどう決めてどう扱うかはまだよくわからない?

#結局、何を実験して何の情報を引き出すのか?
#高圧でCO2の振る舞いが変わるのがクリティカル?工業的にはこうした実験は無い

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