世界の平和は「箱」を出ることから。
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「自分の小さな「箱」から脱出する方法」の続編。「箱」の考え方の原点を物語形式で示してくれます。前作同様、非常によくできた良書。物語として読んでも十分に読み応えのある一冊に仕上がっています。
特にこの続編では、心の平和と世界の平和の関係が強く意識されています。アラブーユダヤ戦争、中東戦争、ベトナム戦争のそれぞれの関係者・被害者が主要な登場人物として配され、世界が「箱」に入ることで悲惨な状況を生み出していることを痛烈に批判します。そしてその問題の原点が個人個人の「箱」にあることを教えてくれます。
結局、個人が「箱」から出て心の平和を取り戻すことが、世界の平和を取り戻すことへの唯一の道なのです。
はっきり言って、今のアメリカに最も必要な本だと思いました。世界中で戦争を続け、平和を乱し、完全に「箱」の中に閉じこもってしまっているアメリカ。彼らが「箱」から出ることで心の平和を取り戻すことが、いま世界で最も望まれていることでしょう。
それにしてもそんなアメリカの内部からこのような本が出版されること自体、なんとも皮肉なことです。よく言えばアメリカの懐の広さ、悪く言えばアメリカの節操の無さを感じる作品ですね。
いずれにしても、この本の内容はちゃんとアメリカ人に正しく伝わっているのでしょうか。「箱」に入っているのは俺たちじゃなくて中東の連中だ、なんて思っていなければいいのですが・・・。
さすがにアメリカも、そこまで末期的な状態にはなっていないことを祈りたいものです。
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