純愛時代 大平健(岩波新書)

精神科を訪れた「恋愛患者」たちの、「純愛」をめぐる短編集。

いや、ちょっと違うのですが。
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本書では様々な症例・エピソードをもとに、「純愛」を求め過ぎる現代のねじれた恋愛を論じていきます。
しかし、実際には「論じていきます」の部分はほとんどなく、症例・エピソードの紹介がほぼ全てを占めています。

なのでひと言で言えば、事実をもとにしたフィクション短編集。
もっと言えば、新書型「こたえてちょーだい!」(最近「わかってちょーだい!」に変わったらしい)。
いわゆる再現型フィクションドラマですね。

一応最後のあとがきで

現に生活し恋愛をする〔自分〕と、それを見つめ、小うるさく監督し指示するもう一つの〈自分〉とがいて、その葛藤が今風の恋愛を生み、また恋愛自体を難しくしている

などといった解説がなされていますが、付け足しみたいで微妙。

実際の症例をもとに書いている分、エピソードだけを挙げて解説を省いているのは、精神科医として不謹慎だと言われてもしょうがない一冊だと思います。

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