クラシック批評こてんぱん 鈴木敦史(洋泉社)

クラシック音楽批評家がクラシック音楽批評について批評するという、いわゆるメタ評論な新書です。
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コンセプトそのものもひねくれていますが、内容はそれに輪を掛けてひねくれてます。
いい意味での毒舌が冴え渡っていて、なかなか痛快です。

それにしても不思議な本ですよ。
クラシック音楽のCDや演奏会についてのたくさんの批評文(断片)をテクストとして扱って、徹底的にバカにして楽しんだ後に、批評行為というものについての一般論へと話が繋がっていきます。
一見ちょっとした論文のような作りにもなっているんですが、語り口が一貫して不真面目なので、どこまで本気なのかが全くわかりません(笑

しかもこの本、あろうことか著者名が間違ってるんです。(版によっては正しいものもあるようです;以下の表紙画像では正しくなっていますね)
「注意書きへの注」というのが挟まっていたので、以下に全文を引用します。

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本書の著者名が間違っています。
正しくは「鈴木淳史」です。
編集者が校正中に読んでいた池宮彰一郎『本能寺』(毎日新聞社)に頻繁に登場する幸若舞「敦盛」の修羅の苦しみと浄化が本書の内容を彷彿とさせたために、「淳史」を「敦史」に変貌させてしまったものであり、本書の内容に関してはなんら影響するものではありません。
ーーーーー

この注意書きのふざけた感じが本書の全てを物語っていると思います。

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