帰れぬ人びと 鷺沢萠(文春文庫)

鷺沢さんが亡くなってからもう3年も経つんですね。
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以前知り合いと飲んでる時に

「亡くなった作家の本は増えることがないから、安心して全作品を読む気になれる」

という類の話をしたことがあり、そのことをふと思い出して鷺沢さんの本を読み返してみることにしました。

まずは処女作にして文學界新人賞受賞作である「川べりの道」を収録した中編集。

本書の魅力はなんと言ってもその感性のみずみずしさと文体のすがすがしさですね。
特に「川べりの道」は高校生の時に書かれた作品だけあって、やや若さが残るものの、イヤミの全くない気持ちの良い作品です。
鷺沢さんの後期の作品しか知らない人には、かなり新鮮に感じられるでしょう。

ただ、夭折した彼女の一生を思うと、つい各作品に通底する人生に対する直感的な不安のようなものも感じずにはいられないのですが・・・。
まあそれは深読みのしすぎというものでしょうか。

いずれにしても、しっかりした魅力的な中編集です。
彼女は短編から長編まで素敵な作品をたくさん残しているので、まだ読んだことのない方はぜひまずは本書から手に取って読んでみてください。

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2 Comments

  1. 私は、彼女のビューティフル・ネームを読んだ事があります。
    うん、別のも読んでみます。

  2. >Fuさん
    鷺沢さんはいろんな出版社からいろんな本を出しているので、長く付き合っていける魅力的な作家さんだと思います。
    「ビューティフル・ネーム」はまだ読んだことがありません。
    いま手元にある彼女の本を全部読んだら買いに行きます o(^-^)o

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