中学生。14歳。
学友とともに勉強に励み、部活では爽やかに汗を流す。
昼休みは、男子も女子もみんな仲良く元気に外に出て遊び回り、放課後は思いを寄せるクラスメイトのうわさ話に一喜一憂。
少しずつ大人への階段を登りながら、ちょっぴり悪いことも覚えちゃったりして・・・
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って、そんなわけはない。
ストップ妄想。キケン。
はい、中学生はそんなに純真で爽やかでほほえましい生き物じゃないですよね。
男子・女子の（いや、男と女の、か）ドロドロした人間関係・恋愛関係。
頭の中はエロでいっぱい。ヤルことでいっぱい。
先輩だって後輩だって先生だって事務のお姉さんだって、みんな恋愛対象、性的対象。
この”ホントの”中学生の生態を赤裸々に描いちゃったのが山田詠美なら、姫野カオルコは本書でその上を行っちゃたと言えるでしょう。
「実は、先生から見た生徒だって同じ・・・？」
結構すごい本です。
教え子に手を出します。
14歳の中学生に手を出します。
ヤって犯ってヤりまくります。
年の差なんて関係ありません。
青少年保護育成条例ってナニ？
だって「ツイラク」しちゃったんだもん、しょうがないんです。
先生だって男、中学生だって女。
現実の中学生だってきっと同じようなものでしょ？
・・・で、内容はとにかくそんな感じなんですけども。
この作品の恐ろしいところはですね、これだけ反社会的（あるいはエロゲー的？）な不純恋愛を描いているにもかかわらず、気づいたら物語全体が見事なまでの純愛文学へと昇華してしまっていることなんです。
一生に一度の真実の恋は、青春時代に訪れた一瞬の超新星として神々しいまでの光を放ちます。
そしてその一瞬の輝きによって、本作品は「古典」として読み継がれるだけの普遍性を手に入れてしまうのです。
（そしてその輝きのピークへと向かう助走部分も、ゆるゆると着陸する後日談も、これまた素晴らしい）
なんて小説なんでしょう。
とんでもない傑作です。
間違いなく日本の文学史に残る姫野カオルコ渾身の一冊。
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