私の話 鷺沢萠(河出文庫)

35歳の若さで自ら命を絶った鷺沢萠の自伝的エッセイ。彼女の人生の一部に直接触れることのできる貴重な一冊です。激しく力強く、そして一方でとても弱くて繊細な、彼女の心の芯の一端を感じることができます。
[tmkm-amazon]4309407617[/tmkm-amazon]

鷺沢萠の小説やエッセイを読んで感銘を受けたことのある人には、いつか手にとって読んでもらいたい本です。
#あ、でも彼女の自殺について心の整理が出来ていない人は、まだ読まない方がよいかもしれませんね。

印象的だった部分を一カ所だけ。

弱者には同情ではなく、愛情を注ぐこと。弱者には同情ではなく、愛情を注ぐこと。
私は何べんも何べんもそれを繰り返し読み、自分に言い聞かせているように口に出して言いもして、そうしながら泣いた。
弱者には同情ではなく、愛情を注ぐこと。
こんなにも力強い意味を持ったことばを、まだ二十代の女の子がその身体の中から絞り出すために、彼女はいったい何を見、何を聞き、何を感じ、何を経験してきたのだろうか。そう思った。弱者には同情ではなく、愛情を注ぐこと。

久しぶりに彼女の作品をまとめて読み返してみたくなりました。


#####
それでも僕は、彼女の自殺を肯定することはできません。突発的な事故だったのかもしれないけど・・。でもやっぱり死んじゃ駄目だよ。そこだけはたぶん、これからも絶対に許せないと思う。

☆他の人の記事も読む☆
tea for two
moonshine—the other side

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.




CAPTCHA