知り合いの薦めもあり、15年ぶりぐらいにライトノベルと呼ばれるジャンルに手を出してみました。
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この作家、日日日と書いて「あきら」と読みます。
高校在学中に新人賞を5つ同時受賞し、一躍文壇の革命児として騒がれている新進気鋭の作家さんらしいです。
乙一の再来!と絶賛されたり、かと思うと西尾維新のパクリだとこけおろされたり、世間では評価が二分しているようですが、個人的には乙一の評価もそれほど高くなく西尾維新の作品を読んだこともないので(今後も読むつもりがない)、そんなことはどうでもいいです。
閑話休題。
本作品を読んでの、まず一番の感想は「読みやすい」です。
やはりこれはライトノベルとしか言いようがないでしょう。
文体が軽く、展開が早く、ほとんど頭を使わずに読み通せてしまいます。
ただ、さすがに文章はうまいし内容もそれなりに面白いのは確かです。
難しい言葉や言い回しなど、まだまだ自分のものにできていませんが、がんばって「ぶんがく」作品にしようとしているあたり、微笑ましいものがあります。
また、リアルと非リアルの境界付近をふらふらと浮遊している感じが、いかにも現代の高校生の感覚らしくて味わい深いです。
いや、彼らにとってはそういう浮遊した感じこそが「リアル」なのかもしれませんが。
ひとりの作家として、ひとつの作品として評価するならば、決して高い評価は与えられません。
はっきり言って、星2つが限度でしょう。
しかし、新感覚の現代作家のデビュー作として、ちょっと触れておくのにはちょうどよいかと思います。
いま、ライトノベル、あるいは「ぶんがく」というものがどこへ向かって進もうとしているのかを知るうえで、よいサンプルになるかと思います。
まあいろいろ言っても面白いことは確かなので、読んで損した気分にはならないと思いますよ。
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