冷たい校舎の時は止まる 辻村深月(講談社文庫)

やめられない止まらない。そして最後の美しき崩壊。お見事。
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大雪の中、校舎に閉じこめられた8人の高校生。学園祭最終日に校舎の屋上から飛び降りたのは誰?
重要な「あの日」の記憶がすっぽりと抜け落ち、現在から過去へ、そしてまた現在へと時間が錯綜する中、仲間が一人ずつ消えていく・・・。
この恐ろしくも不可思議な “事件” の “犯人” はいったい誰なのか!?

本作品は、第31回メフィスト賞を受賞した正統派ホラーミステリです。キャラの作り込み、読者を引き込む文章、ミステリとしての意外性、どれをとっても高レベル。満足のいく一冊に仕上がっています。
この手のホラーミステリ(ホラーファンタジー)は、人によってかなり好みが分かれる場合が多いのですが、本作品はその中でも珍しく万人受けする readability の高い作品だといえるでしょう。

また最後の “謎解き” に関しては、「やられた!」と叫んでしまうこと間違いなし。上下巻とも分厚く結構長い作品ですが、その長さを十分に生かした大規模なカタルシスが最後に待っています。期待して最後まで一気に読み通すべし。

個人的には先日の「イニシエーション・ラブ」(乾くるみ)以来のお口あんぐり本でした。だまされたと思って(今日はエイプリルフール!)みなさんもおひとつどうぞ。

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