先端理学コミュニケーション特論(2/2)

昨日に引き続き「大学院教育イニシアティブ先端理学コミュニケーション特論I」という長い名前の集中講義について。

今日のお題は「表現と科学コミュニケーション」で、以下の3つの講義が行われました。

・横山広美(総合研究大学院大学上級研究員)「科学コミュニケーション論概論」

・大森康宏(民族学博物館教授)「映像の理論と実践」

・小林一郎(元NHK報道部/現アサヒカコー(株)代表)「プレゼンテーションの理論と実践」

研究室のセミナーの都合で大森先生の講義は聞けなかったのですが、残りの2つはしっかり受講してきました。
以下に簡単にまとめます。

○横山 広美「科学コミュニケーション論概論」
今回の集中講義の開催意義についての概論と、現在の日本における科学コミュニケーションの現状や今後の展望等の紹介。
僕は先日行われたサイエンスアゴラ2006でも横山さんの講演(この時も科学コミュニケーション概論のお話)を聞いていたので新しい情報は特に無かったのですが、再度全体像を捉え直す意味では有意義な講義でした。
キーワードは「双方向のコミュニケーション」です。
この”双方向”っていうのが実はけっこう曲者だと僕は思っているのですが、そのことについてはまた別の機会に書きたいと思います。

○小林 一郎「プレゼンテーションの理論と実践」
プレゼンの基本姿勢・技術についてのお話。
NHK報道部におられただけあって、映像や音声を駆使した講義は見事でした。
内容的には、ちょっとでもプレゼンについて勉強したことのある人にとっては当たり前のことばかりだったと思いますが、今回の講義法そのものがひとつのプレゼンの見本のような感じになっていたので、十分に得るものはあったかと思います。
ただ、あまりに巧いプレゼンというのは、聴き手が情報を受動的に受け取ることにもなりかねず、聴衆の思考を半ば強制的に停止させる(まさにテレビの最大の弊害)可能性もあるので、プレゼン論はそんなに単純なものでは無いという気はします。
まあその辺りは個人の良心とバランス感覚に頼るよりほかないのでしょうかね。

今日のお話についてはこんな感じです。

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「科学コミュニケーション」というものについて、いろいろと思うところはあるのですが(ややネガティブなものも)、もう少し考えをまとめてから改めて記事を書きたいと思います。
曖昧な部分が多すぎてまだちゃんと理解し切れていないので・・。

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