日本の公安警察 青木理(講談社現代新書)

先日読んだ「債権回収の現場」(岡崎昂裕)も「借金取り」という厚いベールに覆われた世界を紹介する本でしたが、今回はその何十倍も厚いベールで隠しに隠された公安警察のお話。
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監視・尾行・盗聴・スパイ。
安保闘争・日本赤軍・革マル派・オウム真理教。

本書に書かれていることは、ほとんどの人にとって初耳で衝撃的な事実ばかりだと思います。
とにかく驚きと(ある種の)恐怖に満ちた一冊と言えるでしょう。

本書の著者は、元ジャーナリストで警視庁警備・公安担当記者として取材活動に携わった経験を持つ方なので、比較的客観的な立場で冷静に筆が進められています。
また公安警察の組織構成、歴史、工作手法、具体的な事件例、などなど情報がたっぷりつまった本なので、とりあえずはこれ一冊読んでおけば、公安警察のおおよその全体像をつかむことができます。

一度は読んでおきたい本ですね。

ただしあとがきで「巨像の背中を撫でただけに過ぎない」と述べてあるとおり、「公安警察」という闇はまだまだ圧倒的に深いようです。
興味のある方は本書を踏み台にして、さらに専門的な本や情報源にあたってみましょう。
#そのせいで公安当局に目をつけられても本サイトは責任を持ちませんが(笑

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鱶の日々是好日
北の片隅で、文を書く

2 Comments

  1. 共同通信の記者が書いたものですよね。
    昔読みました。
    警察権力と検察は公権力中でも特にタブー感があるので、よく書けたなぁと思いました。

  2. >おのぼりさん
    確かにタブー感は強いですよね。
    でもだからこそなんとかして覗き見たくなるもの。
    おもしろかったです☆

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