生きることと読むことと 中野孝次(講談社現代新書)

読書を通じて形成された自己哲学を延々と語っていく一冊です。
著者の読書体験をもとに、いかにして読むことが生きることに繋がってきたのかを書きつづっています。
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はっきり言っておもしろくありませんでした。

最初の数章は「読書とは」というテーマに沿った内容なのでそれなりに楽しく読めましたが、途中からはほとんど自己満足の世界。
著者自身が影響を受けた文学の一部を引用しまくって(最後の方は半分近くが引用です;こんなに引用して著作権は問題にならないのか?)ひたすらマスターベーションに耽っているだけです。

しかも典型的な古典文学至上主義者なので、それ以外の文学・文化を一切認めません。
どこまでも自分だけの世界にこもっていく著者を見ていると、なんだかかわいそうになるほどです。

世の中にはこういう「文学オタク」(あえてそう呼びましょう)がいる、あるいは過去にいた、ということを改めて思い出させてもらいました。

いくら読書好きでも、こうはなりたくないものですね。

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ばんちゃんの「の〜んびり、マイペース」

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