鈴木絢子@コロキュウム

個人的なメモです

「火星DLEタイプクレーターのエジェクタ形成シナリオの理解」

*火星のクレーターのおもしろさ*

月や水星のクレーターと比べるとejectaの構造が複雑 [Demura, 1999]
#月や水星ではクレーター孔からゆるやかに傾斜、端はあやふやになる

ejectaが弾道飛行で到達する距離よりも遠くまで存在
 →なんらかのメカニズムで遠くまで運ばれた(流動?)

先端に畝がある(rampart crater)
止水領域が存在(障害物でせき止められた)

*流動プロセス*

lahar
surge
pyroclastic flow
debris avalanche

どのプロセスがどういう割合で効くかを議論したい
流れの気体・液体・固体比が重要

 →堆積物の分布・体積・到達距離などから議論
   DLE形成過程の理解を通して、ejecta形成シナリオへ制約を加える

#なにがおもしろいのか?
#→地下の揮発性物質への制約につながる、過去の大気の情報が得られる

*火星ejectaの分類*

博物学的に分類 [Barlow et al., 2000]

注目するクレーター:Double Layered Ejecta クレーター(DLE)
 2枚のローブからなる
 1回の衝突で異なる2回の堆積過程?
 直線的な放射状の構造あり(溝+畝) [Mouginis-Mark, 2004]
 微細地形もあり(mオーダー)

北部低地:ほとんど全てのクレーターが lobate ejecta を持つ
DLE:北部地域に多い、しかも集中的に存在
#南半球に少ないのは、地中の状態の違い?高度(大気圧)の違い?
#南北の違いを説明するのがたぶん最も本質的な問題だと思う

*Ejecta Mobility*

EM = Rejecta/Rcrater:流動化の程度を示す指標 [Barlow, 2004]
 過去の研究ではエネルギーに関しては考慮せず、単純に流動化量の指標として使われていた

 →Ejecta Mobility の直径依存性をエネルギーの出し入れも考慮してモデル化する

Utopia平原の直径>4kmの新しいクレーターを使う

EMの直径依存性
 エネルギー源
  (1) ejecta自身のポテンシャルエネルギー
  (2) 衝突がejectaに与える運動エネルギー
 エネルギー消失
  (3) 底面での摩擦
  (4) 粘性=内部摩擦
 #(1)と(2)はそもそも関係がある、分けて考えるべき?
 #結果の半径依存性が変わるのは変?

以上の4通りをエンドメンバーとしてモデルを作る(重ね合わせは考えない)
 →それぞれクレーター半径のべき乗の形で書ける
 #この結果解釈はよくわからん
 #どうやってエンドメンバーの混ぜ合わせを行う?
 #結果はむしろ4つの過程がクレーターごとに複雑に組み合わさったものに見える

inner lobe のEMは月のEMとよく一致
 →inner lobe は ballistic だという主張?#これはおかしい

#4つのモデルの見直し・物理的意味の理解が必要
#やはりエンドメンバーでの解釈・組み合わせには無理がある気がする

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.




CAPTCHA