ハイビジョン月面画像をネット公開しなかったNHK by 松浦晋也

本ブログで最近よく扱っている “月探査衛星かぐや” と “ウェブ上での著作権問題” の両方に関係した記事を見つけたのでご紹介。
日本の大マスコミの意識の低さを、松浦晋也さんがズバリと指摘しています。

以下、記事の一部を引用・紹介します。
なお、引用部分はかなり恣意的に選ばれていますので(笑)、興味のある方は記事全文より詳細をご覧ください。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)とNHKは、肝心のハイビジョンクオリティの動画像を、ネットで公開することを許可しなかった。
公開を渋ったNHKにより、日本という国も、JAXAも、NHK自身も、そして何より素晴らしい画像に触れ損なった日本を含む世界中の人々が損をする結果となった。

資金的に見るならば、「かぐや」搭載カメラは、国民からの受信料でNHKが開発したカメラを、税金で運営されるJAXAが開発した探査機に搭載して打ち上げたものだ。

色々聴いていくと、NHKが公開を渋った理由は、「安易にコピー可能な形でネット流通させると、取得画像を使ったビジネスがしにくくなる」という危機感にあったようだ。
放送局であるNHKとしては、オフィシャルには認めたくない事実かも知れないが、インターネットへの動画像掲載は、全世界に「これほど素晴らしい画像なのだ」と伝えるのに最高の手段なのである。

現状では、「かぐや」が取得した「地球の出」の画像は、「日本の月探査機がアポロ以来の、素晴らしい価値ある画像を取得した」という事実を広く知らせるよりも、NHKの狭量さを全世界にアピールしただけという、残念な結果となっている。特にNASAがずっと以前から“太っ腹”の情報公開を行っているだけに、「自分だけよければ」という態度は目立ってしまう。

画像の素晴らしさと反比例するかのような貧弱な公開方法は、著作権保護の利点よりもNHK、ひいては日本という国のイメージ低下という点で害のほうが大きい。今からでも遅くはない、JAXAとNHKには、ハイビジョンクオリティの動画像をネットで公開することを検討してもらいたいと思う。

(引用:ハイビジョン月面画像をネット公開しなかったNHK(nikkei BPnet)

もちろん現場ではいろいろと複雑な事情もあるでしょうし、このように一方的に批判されてはたまらないという意見もあるかと思います。
しかし、少なくともこの記事がその辺の一般ブロガーではなく松浦晋也という名のあるサイエンスライターによるものであること、その記事がソーシャルブックマークでたくさんのブックマークを集めたくさんの人の目にとまる状態になっていること、の2点はきちんと意識しておくべきでしょう。

NHKには最初から期待していませんが、JAXAのみなさんには、ぜひこうした記事の後押しを力に変えて、よりよい研究成果広報へ向けた努力をしていただきたいと思います。

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