西の魔女が死んだ 梨木香歩(新潮文庫)

また泣きました。
もう5回目ぐらいでしょうか。
何度読んでも、最後に爽やかな清々しい涙がこぼれる、そんな素敵な物語です。
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中学校になじめず不登校気味になってしまった少女まいは、西の魔女ことママのママ、つまりおばあちゃんのところで一月あまりを過ごします。
おばあちゃんは「オールドファッション」とでも言うべき古風な生活を送っていて、人工的なものにほとんど触れず、自然の中で自然に真っ直ぐに生きています。
そんな生活の中で、まいはみるみる元気を取り戻していきます。

さてそんなある日、自分が魔女の家系であることをおばあちゃんに聞かされたまいは、立派な魔女になるための修行を始めることになります。
とは言っても、特別な能力を目覚めさせるような特殊な修行ではありません。
立派な魔女になるために一番大事なことは、何でも自分で決める、ということでした。
そして、外からの刺激に動揺しないで、自分が心の底から聞きたいと願う声だけを聞けるようになること。

そうした魔女修行を通して少しずつ成長していったまい。
そんなまいに、おばあちゃんが最後にくれたプレゼントとは・・・。

人工的なものに囲まれ、毎日を忙しく過ごす中で、自分の魂をすり減らしてしまっている現代人(=読者)に対して、本当の「生きる力」を優しく教えてくれる作品だと思います。
この本は非常によく売れているそうですが、それは現代社会で失われている部分を補う作品という意味で、反動どころか、いわば必然と言ってもよいでしょう。

最近いい本読んでないなあという方、絶対に後悔させませんからぜひ読んでみてください。

(おまけ)
この本の中にはたくさんの草花が登場します。
名前を聞いてもその姿がぱっと浮かばない草花も多いと思うので、「西の魔女が死んだ」の植物を参考にしながら読まれると、小説の世界がより鮮やかに浮かび上がって素敵ですよ♪

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