なにはさておき、まずは背表紙と帯の紹介文より
「あの『イニシエーション・ラブ』の鬼才が、『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ仰天の傑作」
「あの『イニシエーション・ラブ』より驚けます」
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そう、このブログを定期的に読まれている方は覚えていらっしゃるかと思いますが、あの「最後から2行目で世界がひっくりかえる」『イニシエーション・ラブ』を書いた乾くるみさんの作品です。しかも、あの『イニシエーション・ラブ』を超えるかもしれない作品!こんなの、読まないわけにはいきませんよ。
ということで、昨日(『そして誰もいなくなった』)と一昨日(『リプレイ』)の読書日記は、実はこの作品を読むための伏線でした。十分にこれら2冊の「古典」の世界を堪能したうえで、いよいよその上位に位置するであろう本書へと取りかかったのです。この素晴らしい「古典」たちを踏み台にして、本書がさらに高いところまでたどり着いたことを期待して。あの『イニシエーション・ラブ』を超える地点にまで到達したことを期待して。
そして読んだ結果は・・・!?
大満足 o(^-^)o
いや、ホントにこの作家さんはすごい。
まず最初に注意しておきますが、衝撃度から言うと『イニシエーション・ラブ』よりは小さかったです。なので「あの『イニシエーション・ラブ』より驚けます」という帯はどうかと思いますが、ただ作品のレベル的にはおそらくこちらの方が上。『リプレイ』と同じような設定の中で、どうオリジナリティを出すのか、『そして誰もいなくなった』と同じような展開の中で、どうオチをつけていくのか、これは普通に考えるとかなり難しい作業です。特にミステリ小説をたくさん読んだ人には分かると思いますが、この手の本はどうしても「古典」に引きずられてしまう部分がどこかに出てきて、二番煎じ感が拭えない場合が多いものです。ところが乾くるみは古典からの飛躍をサラッとやってのけてしまう。しかもその苦労した(であろう)部分を別段強調することもなく、当たり前のようにサラッと書いてしまう。見事です。
本書はある種のミステリ小説であるだけに、内容については全く触れることができませんが、『イニシエーション・ラブ』で度肝を抜かれた方はぜひこちらも読んでみてください。また違った乾くるみワールドを満喫できると思います。
ちなみに『リプレイ』(グリムウッド)と『リピート』(乾くるみ)は、どちらから先に読んでも大丈夫です。できれば時間順に『リプレイ』→『リピート』と読む方がよいかとは思いますが、先に『リピート』を読んでも全然問題無いです。いずれにしても、片方を読んだらもう片方も読まないといられなくなると思います (^_^) この2冊はそれぐらい面白かったです。
あ、あと『イニシエーション・ラブ』をまだ読まれてない方は、こちらもぜひ。「最後から2行目で世界がひっくりかえる」衝撃は、絶対に体験して損は無いので♪
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