いかにして本を読むか、ということを徹底的に問い詰めた一冊です。
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初級読書・点検読書・分析読書・シントピカル読書の4つの読書レベルを設定し、意識的に読書法を身につけることで読書レベルを引き上げることを目的としています。
読書技術のひとつひとつを、これでもかというほど丁寧に議論した上で紹介してくれているので、方法論に対する理解も深まり、きちんと納得した形で著者の考えを実践に移すことができると思います。
今から60年以上も前に書かれた読書論ですが、近年の読書論と比較しても全く色褪せていません。
いやむしろ、例えば以前このブログで紹介した「読書力」(齋藤孝)などは、本書を中高生向けに簡単に書き直しただけなのではないか、と思えるほどです。
こういう戦略的読書論には珍しく文学・戯曲・詩の読み方に関する章も用意されているので、(完全に納得できるかどうかは別としても)その興味深い考察は一読の価値ありです。
「本を読む」ことについて様々な示唆を与えてくれる、非常に刺激的で有意義な良書と言えるでしょう。
ただし、もともと英語圏の著者による読書論なので、読書という行為を「感覚的」に捉えがちな日本人には少し違和感があるかもしれません。
そういう方はぜひ本書巻末の外山滋比古氏によるあとがき「日本人の読書」をご一読ください。
こちらも、短い文章ながら読書の本質をついた名解説です。
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