個人的なメモです
「地球型惑星集積中における親気性元素の挙動について」
*惑星大気の形成*
捕獲大気:
1. 太陽組成大気:円盤ガス組成の大気を集積中に捕獲 H2, He に富む還元大気
脱ガス大気:
2. 衝突脱ガス大気:惑星集積中に微惑星の脱ガスによって生成
3. レイトベニヤ大気:惑星集積末期(コア形成後)に揮発性元素に富む隕石の衝突脱ガスで生成
還元大気 [Hashimoto et al., 2007]
1+2:初期大気について考える
#今回は衝突脱ガス大気のみ
Genda and Abe, 2003, 2005
ジャイアントインパクト後にも大気は生き残る
Hashimoto et al., 2007
レイトベニヤ大気の大気形成にもたらす影響は小さい
そもそも初期大気について考えている人がほとんどいない
#阿部研がやるしかない
→初期大気の化学組成を考えることが、それ以降の大気の進化についての初期条件を与える
*Kuramoto and Matsui, 1996(KM96)*
地球集積中の親気性元素(H, C)の挙動を見た
→わかったこと:
コアの密度減少についての説明(H, Cが溶けている)
酸化的マントルへの進化についての説明(マントルに水が溶けている)
衝突脱ガス大気の化学的組成を大まかに議論
#KM96では衝突・マグマポンド形成まで、その後の分化は考えていない←ここを拡張
KM96モデル:
Silicateメルト →マントル
Metaric Iron →コア
Fluid →大気
材料物質:
2成分モデル [Ringwood, 1977; Wanke, 1981]
計算条件:
圧力:0.2GPa-5.0GPa
マグマポンドの大きさに対応(深さ数km-150km)
圧力勾配は無視
温度:2000K
微惑星衝突時の温度
酸素分圧:金属鉄によるIWバッファを元に計算
均質集積・完全な化学平衡を過程
計算結果・解釈はKM96参照
参考:http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~keikei/study.html
*拡張*
KM96の結果を初期状態とし、その後の分化を考える
(i)溶融金属鉄沈降 < 脱ガス速度 (ii)溶融金属鉄沈降 > 脱ガス速度
(i)
惑星表面(1bar)からの脱ガス後に、残った材料でシリケイトメルトと溶融金属鉄間で平衡
酸素分圧はIWバッファを元に計算
マグマポンドが深いほどHは鉄に溶ける
脱ガスはH2, H2Oの順で多い、CH4が少なくなった
炭素はCOの形で脱ガス、残りはコアへ
ほとんど脱ガスして大気へ、あまり惑星内部には持ち込まれない
H, Cともに鉄によく溶ける?
圧力が低いので?CH4が出ない
H2OやCOが出て若干酸化的な大気になる
(ii)
金属鉄がコアへ沈降後に惑星表面でシリケイトメルトとガス間で平衡
酸素分圧はシリケイト・ガス間の酸素分配を元に計算
マグマポンドが深くなると溶融鉄が持ちさるHが増加
→残る物質中のH/O比が減少
→脱ガス量減少
マグマポンドが深くなるとH2Oが増える?
#要するにH2が減ってるから?
結局、、、高圧だとH, Cがコアへ
→H2, COが減少、余ったOがH2Oになる、酸化的な大気になる
#(i)→(ii)→(i)→・・・を繰り返す必要あり
#そうすると、もともとの大気成分の影響が出る←これはけっこうめんどいね
*今後*
捕獲大気との間の平衡も考えたい
材料を変えて計算したい
C, H だけではなく N も考えたい
#状況の時間変化を追うとかなりめんどい
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